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下肢静脈瘤血管内治療では、患者さんが痛みを感じるポイントは、主に以下の3点と考えられます。
①血管穿刺時 (血管に針を刺す時)
②シース挿入時 (シース:血管を焼灼するためのコードの通り道となある筒のこと)
③TLA麻酔時(焼灼する血管に沿って、その周りの組織に麻酔液を浸して、焼灼時の疼痛を軽減させる麻酔)
可能な限り、痛みを和らげるためには、
①太い針を刺すその前に、なるべく細い針を用いて、適切な場所に、適切な局所麻酔薬を使用する。また、針の切れ味を維持するために、適宜、針の交換を行う。
②局麻酔薬は、それだけでは、痛みを伴うので、
・酸性の局所麻酔薬に、アルカリ性のメイロンを混ぜて、中性に近づけた状態にする
・ゆっくりと麻酔を投与する
などの工夫をすることが重要です。
手術をうける際は、どうしても緊張を伴うので、当院では、点滴から麻酔薬を投与して、眠った状態で手術をうけていただきます。
(緊張すると血管も収縮して、血管穿刺が難しくなる場合があります。)
呼吸・循環状態の把握のために、必要十分なモニターは必須です。
同じ下肢静脈瘤という病名であったとしても、個々で症状が違うのと同様に、「痛みの感じ方、不安の感じ方」の違いも、個人差がとても大きいものです。
当院では、痛みや不安にあまりがまんすることなく、治療を受けていただけるよう配慮をいたしております。
【下肢静脈瘤治療の麻酔に関しての学会発表】
日帰り下肢静脈瘤血管内焼灼術における鎮静・鎮痛方法の検討
(第22回日本血管内治療学会総会,2016)
日帰り手術クリニックにおける下肢静脈瘤血管内焼灼術に対するセボフレン麻酔の使用経験
(第57回日本脈管学会総会,2016)
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