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破傷風は、破傷風菌(Clostridium tetani)が産生する毒素の一つである神経毒素により強直性けいれんを引き起こす感染症です。
破傷風菌は、土壌中に広く常駐し、「キズ」から体内に侵入します。
潜伏期間は3〜21日程度で、その後、局所症状(痙笑、開口障害、嚥下困難など)から始まり、全身(呼吸困難や後弓反張など)に以降し、重篤な場合は、呼吸筋の麻痺により窒息死することがあります。
当院では、発症の恐れがある場合の予防措置として、国立感染症研究所の記載に則り、患者さんの予防接種歴に応じて、沈降破傷風トキソイドの接種を行います。
定期予防接種が完全に行われてから10 年以内の場合には、血中抗体価が発症防御抗体レベルを上回っていると考え、沈降破傷風トキソイドの接種は実施しません。
それ以外の場合では、沈降破傷風トキソイドの接種を実施します。
(さらに、創傷の程度によっては、沈降破傷風トキソイドに加えて、抗破傷風ヒト免疫グロブリン (TIG)250 単位の投与も考慮します。)
ワクチン未接種世代(昭和43(1968年)から接種開始)である、49才以上の方を中心に、現在も国内で年間100人以上の患者発生があります。きちんとしたワクチン接種の重要性を認識することが非常に重要です。(参考:2017年 予防接種に関するQ&A集)
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